『てーきゅう』『ヤマノススメ』『まんがーる!』

終わりの始まり。

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てーきゅうとは - ニコニコ大百科
ヤマノススメとは - ニコニコ大百科
まんがーる!とは - ニコニコ大百科

・はじめに


 2012年、2013年。ルーツ原作、Piyo作画の漫画『てーきゅう』、しろ著の漫画『ヤマノススメ』、center island・斎藤ゆうすけ・kai原作、玉岡かがり作画の四コマ漫画『まんがーる!』のテレビアニメ化作品。全十二話+全十三話+全十四話。監督は板垣伸、山本裕介、中西伸彰。アニメーション制作はMAPPA、エイトビット、動画工房。月刊『コミック アース・スター』発の五分アニメシリーズ。内容は各項目参照。

・コミック アース・スター


 2011年3月に創刊された月刊『コミック アース・スター』という新しい漫画雑誌がある。その雑誌の特徴は、純度100%の「オタク向け」ということだ。他のオタクをターゲットにした漫画雑誌と言えば、『月刊コミック電撃大王』や『まんがタイム』シリーズなどがあるが、それよりもさらに特化している。何せ、巻頭グラビアはアイドルではなく「声優」である。漫画好きが全員アニメ好きとは限らないし、アニメ好きが全員声優好きとは限らないのだが、ここまでターゲットを絞って大丈夫なのだろうか……。もっとも、昨今のオタクと呼ばれる人は、周囲と一体感を得ることに喜びを覚える無個性な人が大多数なので、こうやって「ラーメン餃子炒飯セット」みたいに分かり易く一括りにする方がいいのだろう。何とも気楽な商売である。
 そして、この三作品は、いずれも『コミック アース・スター』掲載作からのテレビアニメ化作品である。元々がメディアミックスを公約に掲げた雑誌なので、ようやくスタートラインに立ったと言ったところか。ただし、共通しているのは、いずれも「五分アニメ」だということだ。五分、CMと歌を除くと実質二・三分では、ストーリーもテーマも入れ様がないのだが、それは別に構わない。なぜなら、最大の目的は「雑誌の宣伝」なのだから。広告効果が最優先、作品のクォリティは二の次なので、徹底して予算を抑えている。とりあえず、ネット上で話題になれば大成功だ。事実、動画サイトなどでは、そのお手軽さゆえに驚異的な再生数を誇っている。なるほど、商売が上手い。
 今後も、こういった形式のアニメはどんどん増えるだろう。原作の宣伝が目的なら、何も多大なコストをかけて三十分アニメを作る必要はない。特に、四コマ漫画が原作だと、「ストーリー」という最大の懸念材料から開放されることになる。それが良いことか悪いことか、決めるのはこの雑誌を読むようなアニメオタク自身である。

・てーきゅう


 公式サイトで堂々と「テニスをほとんどしないテニス漫画」と称している。最早、隠す気0。それはともかく、最近、目立つようになったこの手の「部活動をしない部活漫画」の原点は何かと問われると諸説あると思うが、一番有名なのは久米田康治著の『行け!!南国アイスホッケー部』だろう。アイスホッケー部とは名ばかりで、下ネタ・時事ネタが満載の久米田節オンパレード、かの『さよなら絶望先生』の元になった作品だ。ただ、南国にしても、最初の頃はちゃんとアイスホッケーをしていたわけである。本作のように企画段階から部活動をしないことが前提なのは少々頂けない。そのスポーツに対して非礼だと言われても反論はできないだろう。
 さて、そんな本作の特徴は、とにかくテンポが早いことである。短い尺内で収めるため、話の展開やカットの切り替えを異様に早めている。ただし、台詞も全て早口なので、正しくは「早送り」である。早送り芸は確かにギャグのパターンの一つなのだが、方法論としてはかなり卑怯だ。どんなシリアスドラマでも、早送りにすれば面白くなるのは当たり前なのだから。一方、肝心の中身だが、下ネタが多いという欠点はあるものの、意外と練り込まれていて面白い。しかも、この短い時間にも係わらず、ちゃんとストーリーがあって最後にはオチもある。それならそれで、高速編集などせずに普通にアニメ化しても良かったと思うのだが。

・ヤマノススメ


 高所恐怖症の女子高生の主人公が、アウトドアが趣味の友人に誘われて登山を始めるというただそれだけの作品。それ以上でもそれ以下でもない。テンプレ通りのキャラクターがテンプレ通りのストーリーで山登りを学んで行く物語。さすがに、内容が内容だけあって、アウトドアの知識に関してはしっかりとしている。しかし、それが詳しければ詳しいほど、「登山案内アニメ」でしかなくなるという哀しいジレンマがある。日本山岳会が宣伝のために作ったアニメと言われれば、そのまま信じてしまいそうだ。ある意味、日ペンの美子ちゃん風と言えば分かる人には分かるだろうか。
 面白いのは、主人公達が高尾山に山登りに行った回だけ、背景美術の作画レベルが飛躍的に上昇することである。まるで、実写のような高精度。と言うか、例の如く実写画像を元に加工した背景だ。「あぁ、ロケハンに行ったんだね」というのが丸分かりで面白い。ちょっとぐらいは誤魔化そうという気がない物か。もし、この作品が最終的に富士山登頂を果した暁には、ちゃんと富士山のロケハンもしてくれるのだろうか。

・まんがーる!


 『コミック アース・スター』の編集部を舞台にした楽屋オチアニメ。編集者は全員、可愛い女の子四人組に置き換えられ、漫画雑誌を新創刊して掲載作がアニメ化されるまでのドタバタを面白おかしく描いている。企画した人は死にたくならないのだろうか。漫画雑誌編集の実際の仕事がこうではないと、本人達が一番よく分かっているはずだが。アニメ的に言うと、意味のないストーリーに不自然なコンテにつまらないギャグと、はっきり言ってクソアニメに片足を突っ込んでいる。ただし、これは五分アニメであり、『てーきゅう』ほどではないが話のテンポが早いため、これらの欠点は目立ち難くなっているのは不幸中の幸いか。
 しかし、問題は第八話である。この回ではコミケ(っぽいイベント)をテーマにしている。企業がコミケに出店するのは今や当たり前の光景だが、問題は劇中で同人誌を取り上げていることにある。作者の許可なく二次創作で商売をするのは、グレーなどではなく完全にブラックである。本来なら出版社は規制しなければならない立場であるが、対費用効果の点で見て見ぬ振りをしているのが現状だ(ちなみに、自分の知る限り、劇中でこの問題を指摘したアニメは『げんしけん2』だけである)。だが、こうやってアニメ内で描いてしまうと、出版社自身が同人誌の存在を認めることになってしまう。つまり、『コミック アース・スター』に掲載されている作品は「二次創作フリー」ということだ。同人作家の方々は、ぜひ彼女達をドロドロに陵辱したエロ同人誌を「販売」してやって欲しい。

・総論


 漫画雑誌の宣伝アニメとしては申し分ない。しかし、作品としては全く評価できる物ではない。これから、こういった作品がどんどん増えて行くだろう。その時、アニメ業界がどうなっているか、今、未来への想像力が試されている。

星:☆(1個)
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テーマ: アニメレビュー -  ジャンル: アニメ・コミック
by animentary  at 22:02 |   |   |   |  page top ↑
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