『かのこん』

性的虐待。

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かのこん - Wikipedia
かのこんとは - ニコニコ大百科

・はじめに


 2008年。西野かつみ著のライトノベル『かのこん』のテレビアニメ化作品。全十二話。監督は大槻敦史。アニメーション制作はXEBEC。女狐の妖怪に惚れられた男子高校生が、性的に誘惑されて大変な目にあうエロティックコメディー。原作の新人賞受賞時のタイトルは『彼女はこん、とかわいく咳をして』である。今ならこちらが正式タイトルになっていただろう。

・問題作


 ガチ問題作である。本項のようなネットの隅っこのブログでひっそりと叩かれただけでなく、実際にマスコミなどから社会的な批判を浴びた。そのため、近年の萌えアニメの異常性を示す代名詞のような扱いを受けている。そもそも、本作は中高生向けライトノベル原作の全年齢アニメのはずなのに、地上波での放送は全滅。唯一放送できたのは有料放送のAT-Xだけで、しかも、視聴制限がされた。苦肉の策としてネットで無料配信を行ったところ、低年齢層が無制限に殺到したことで問題になり、第七話以降は配信禁止。残るは有料配信だけとなり、実質的にOVA化した。
 こうなった理由は簡単だ。「性描写が過激過ぎた」のである。だからと言って、本作がアダルティックな大人向けラブストーリーだというわけではなく、どこにでもある使い古されたハーレム萌えアニメである。逆に言うと、ただの萌えアニメに係わらず、このような処置を受けたということは、内容が如何なる物か容易に想像が付くということだ。実際、本作を見てみると、なぜ放送できなかったかが一目で理解できるだろう。
 ただし、本作には一つだけ功罪があった。と言うのも、本作の発表された時期が、ちょうどネットによるアニメの配信が始まろうかという時期であり、良くも悪くも本作が注目されることによって、ネット配信がメジャー化したのである。テレビしかりVHSしかりインターネットしかり、性風俗が新しい時代を作るというのはいつの世でも変わらない。

・エロス


 本作の内容を一言で表現すると「ヒロインが淫乱」である。グラマラスなヒロインが、身持ちの堅い主人公を自分の方に振り向かせるため、あの手この手で性的に誘惑するというだけの単純でくだらない物語だ。当然、女性の裸や下着が画面を覆い尽くすことになる。スキンシップと称した男女の肉体の絡みは日常茶飯事。それだけではなく、性行為を思わせるような擬似動作も頻繁に登場する。しかも、本作の主人公は、高校生なのに小学生にしか見えない純朴な少年、いわゆる「ショタ」なため、年上のヒロインが一方的に弱々しい主人公をいたぶるような形になっている。無知及び拒絶する相手に無理やり性行為を強要すると、それは男女問わず「性的虐待」に当たるのだが、アニメ業界人がまともな社会常識と法知識を持っているわけがないので、当たり前のように犯罪行為が画面上で繰り広げられる。はっきり言って、こんな物が地上波で放送できるわけがないのだが、制作スタッフは企画段階で誰もおかしいと思わなかったのだろうか。
 なお、なぜ、昨今のアニメにポルノと見紛うばかりの性的な要素が氾濫しているのかに関しては、明確な理由がある。それはアニメの製作方式の問題だ。いわゆる「テレビショッピング方式」と呼ばれる物で、製作委員会は放送局から放送枠を購入し、自社商品の宣伝としてアニメを放送する。制作費を回収する方法は、唯一、DVDなどのグッズを販売するだけであり、メディアが売れなければ赤字になってしまうため、確実に売れる要素、つまり、エロが劇中に必要なのである。本作もそのセオリーに従って性的な要素を闇雲に増やしてみたが、明らかにやり過ぎた。結果、宣伝媒体を失ってOVA化したわけで、お馬鹿な自業自得としか言い様がない。(※ただし、売り上げ自体は高い。人はそれを「売り逃げ」と呼ぶ)

・ヒロイン


 ヒロインは狐の妖怪。もう四百年以上生きているらしい。そんな彼女が、ある日、転校生の主人公に一目惚れしたことから物語が始まる。執拗に主人公にアタックするヒロイン。と言うより、強引に既成事実を作ろうとするヒロイン。明らかに、主人公に対して物理的・社会的に危害を加えているが、全くそのことには気付かない。傍目には狂気の沙汰だが、本人は至って真面目らしく、第五話で性的な接触を禁じられると会話すらできなくなるほど。過去にどういった事情があったのかは分からないが、男女交際=性行為と心から思い込んでいるらしい。病院に行け。
 そういったストーリーゆえ、本作には高尚なテーマなど何もないが、あえて一つ付け加えるとすれば、「他人の愛し方を知らないヒロインが本当の愛に目覚める物語」ということになるだろう。一応、最終回ではそれらしき流れにはなるのだが、やはり、口より先に手が出るため何も成長しないまま終わる。この手のハーレムアニメにまともな物語を期待する方が間違いだ。
 ちなみに、彼女は処女らしい。四百年も生きていて。もう、現実世界だと一発で嘘と分かる話だが、萌えアニメ的にはありらしい。しかも、主人公を好きになった理由が一目惚れとか……どう考えても、新しい男を見つけたらすぐに乗り換えるタイプ。主人公、哀れ。そもそも、こういうストーリーにするなら、それこそヒロインを狐ではなくサキュバスか女郎蜘蛛にするべきだろう。『ご愁傷さま二ノ宮くん』と設定を交換してもらえ。

・主人公


 ストーカー被害に遭う可哀想な男子高校生。ヒロインの異常な愛情(性欲)に対して明らかに迷惑がっている。CVは能登麻美子。どう考えても、ヒロインより可愛い。第三話では、相手の気持ちを思ってダメなことをダメと言えない主人公に対して、クラスの委員長が「君は偽善者です」と諌める。なるほど、彼女の言う通りだ。まさか、こんなアニメでちゃんとした正論が聞けるとは思わなかった。しかし、その一件は直後のドタバタで完全に忘れ去られる。この手のハーレムアニメにまともな物語を期待する方が間違いだ。そして、最終回近辺では、なぜか主人公はヒロインのことを愛している。当然、迷惑から好きに変わった明確な転換点など存在しない。ただ単に愛欲に溺れたようにしか見えないのだが、結局、彼も一人の男だったということか。人はそれを「調教」と呼ぶ。

・内容


 上記のような問題点を除いたとしても、アニメーションとしての評価は著しく低い。脚本・コンテ・作画といずれも低レベルだ。特に第一話は、カメラがイマジナリーラインを何度も越える(右から吹いてきた風が右に向かって流れる等)ので、映像の勉強をしている人は「悪い例」として見てみると良いだろう。脚本的にも、サブヒロインが主人公を好きになった理由が何もない、ヒロインが主人公の捕まっている場所をヒントなしで見つけ出す、など全編に渡って壊れている。何より、「主人公は実は秘められし力を持っていた!」的な展開があっさりとスルーされるのは芸術的だ。どうせ、二期などあるわけないし、誰も興味がないだろうから、その分、エロを描いていた方がいいということか。なるほど、制作スタッフの言う通りだ。ぶっちゃけ、このアニメ自体がいらない。

・総論


 ただのエロアニメ。典型的なヤクザ商売。業界への悪影響という意味では星-10個でも構わないのだが、実質OVAなのでこんな物か。

星:★★★★★★★(-7個)
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テーマ: アニメレビュー -  ジャンル: アニメ・コミック
by animentary  at 19:35 |  ★★★★★★★ |   |   |  page top ↑
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